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マンション購入時の初期費用と交渉ポイントを不動産屋店長が解説!

マンションのみならず不動産を購入するとなると、物件価格だけでなく、初期費用が必要となります。

お気に入りの物件が見つかり、不動産屋で見積もりを出してもらうと、予想以上に高額な事にびっくりされる方が少なくありません。

住宅ローンを使ってマンションを購入する場合、一般的に物件価格の8%〜10%ぐらいの初期費用が掛かってきます。

3,000万円のマンションを購入するとトータルで3,300万円程の資金が必要となるわけです。

不動産を購入する上で初期費用が必要であることは仕方のない事ですが、何の為に誰に支払うのかという事をしっかりと理解した上で購入したいですよね?

また、少しでも初期費用を抑える事が出来れば助かりますよね?

そこで、不動産屋現役店長の私が、マンション購入時に必要な初期費用の詳細と、金額を抑える事の出来るポイントを解説させて頂きます。

マンション購入時の初期費用!内訳

それでは初期費用の内訳について解説していきます。

・不動産屋との間で発生する費用

仲介手数料

マンションを購入するとなると、まず不動産屋に問い合わせて物件を紹介してもらうと思います。

購入する物件が決まると、不動産屋の担当は物件の調査をして説明書や契約書の作成をしたり、取引を円滑に進める為の日程調整や手続きの段取り、銀行や司法書士への橋渡しなど、売主と買主の間に入り、トラブルが発生しないように取引を進めて行きます。

その一連の行動や作業に対する代価が仲介手数料になります。

仲介手数料は受領できる金額の上限が決まっており、その計算方法は、400万円を超える物件の場合で(物件価格 ×3%+6万円)× 消費税となります。

3,000万円のマンションを購入する場合、1,056,000円が仲介手数料の上限となります。

ローン斡旋手数料

ローン斡旋手数料とは、住宅ローンを利用する際に不動産屋がどこの銀行で融資を付けるかを提案し、買主に代わってローンの手続きを行う事によって発生する手間賃のようなものです。

このローン斡旋手数料については明確な定義はなく、設定している不動産屋もあればしていない不動産屋もあります。
金額もバラバラで、5万円、10万円、15万円、20万円とその不動産屋によって異なります。

言い換えると不動産屋の「言い値」というわけです。

・住宅ローンを利用す場合に発生する費用

銀行事務手数料

銀行事務手数料は融資を受ける銀行に支払う手数料になります。

書類のやり取りや決済ブースの提供など銀行さんの手間賃のようなものです。

費用は銀行によって異なりますが、都市銀行で3万円、地方銀行で5万円といったイメージです。

銀行保証料

一昔前なら融資を受ける場合には保証人を立てたりしていましたが、今は銀行の指定する保証会社が保証人に代わって買主がローンの返済ができなくなった場合のリスクを負います。

そのリスクに対して支払う費用が銀行保証料です。

保証料率は銀行により多少の違いはありますが、現在は毎月の金利に0.2%上乗せするタイプと、借入額の2%を前払いするタイプが多いです。

どちらもメリットとデメリットがありますが、支払額が安くなるのは前払いタイプです。

3,000万円の融資を35年の返済期間で受ける場合、前者の0.2%上乗せタイプだと保証料の総額は99万円となります。

一方後者の、借入額の2%を前払いするタイプだと3,000万円の2%で60万円となります。

印紙代(金銭消費貸借契約書用)

住宅ローンを利用する場合、銀行と「金銭消費貸借契約」を結びます。

簡単に言うとお金を借りる為の契約で、「ローン契約」や「金消契約」などと呼ばれています。

この金銭消費貸借契約の契約書には印紙税がかかる為、借入金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります。

印紙税額については以下のようになっております。

・借入金額が5百万円を超え 1千万円以下のもの:印紙税1万円
・借入金額が1千万円を超え 5千万円以下のもの:印紙税2万円
・借入金額が5千万円を超え 1億円以下のもの:印紙税6万円

借入金額が3,000万円だと2万円の収入印紙が必要です。

・登記関係の費用

登記費用

登記費用はマンションなど不動産を購入する場合には必ず必要で、「登録免許税」及び「司法書士報酬」を合わせたものを言います。

不動産の登記は一般的に司法書士に代行してもらうことになりますので、この登記費用は決済日に司法書士に支払います。

ただ、登記手続き自体は買主ご自身で行うことも可能なので、その場合「司法書士報酬」については必要ありませんが、手続きが複雑なのであまり現実的ではありません。

司法書士報酬の金額は3万円〜5万円が相場となります。

では、登記について簡単に説明すると、その対象となる不動産に対する「権利」を保護するもので、登記をすることにより「登記事項証明書」と言う書面に「権利」が記載されます。「権利」には種類があり、その不動産の所有者になれば「所有権」、ローンを利用する場合には銀行の「抵当権」などが登記することにより設定されます。

そして、その「登記」をする際に発生する税金が「登録免許税」です。

登記の件数が多いほど登録免許税も高額になってきますので、不動産を現金で購入する場合とローンで購入する場合では、現金で購入した方が登録免許税は安くなります。

・税金関係の費用

印紙代(不動産売買契約書用)

「住宅ローンを利用す場合に発生する費用」の項目でも印紙代が出て来ましたが、この印紙代は「不動産売買契約書」に掛かる印紙代になります。

「契約書」には印紙税が掛かると覚えておけば良いかと思います。

不動産売買契約書では、契約する不動産の売買金額に応じた印紙税が必要となります。

印紙税額については「金銭消費貸借契約書」の場合と同様です。

固定資産税・都市計画税の精算

一般的に固定資産税と都市計画税を一まとめに「固定資産税」と呼んでいます。

固定資産税は不動産を所有している限り毎年掛かってくる税金で、その年の1月1日の所有者に対して1年分の請求がきます。

不動産を購入する場合、固定資産税はその不動産の引渡し日に、売主と買主の間で日割精算を行います。

日割精算の起算日は、1月1日か4月1日のどちらかになり、地域により慣習が異なります。

関西では4月1日が起算日となります。

・購入物件がマンションの場合に必要な費用

管理費・修繕積立金の精算

マンションを所有する場合、管理費や修繕積立金といった費用が毎月発生します。

これはマンションを維持、運営していく為に必要なランニングコストになります。

それぞれ簡単に説明すると、「管理費」はマンションの管理会社に支払う費用で、管理会社のおかげで世帯間のトラブルの防止や、マンションの美観の維持ができ、居住者の住みやすい環境が守られています。

「修繕積立金」はマンションをメンテナンスする為に居住者皆でお金を積立てて行きましょうといった費用です。

マンションのメンテナンスには莫大な費用が掛かる為、それを皆で毎月コツコツと貯めていっているわけです。

マンション購入の際は、これらの費用も引渡し日に、売主と買主の間で日割精算を行います。

・その他の費用

火災保険料

火災保険もマンションを購入する場合には忘れてはならない費用です。

ローンを利用する場合には必ず入らなければいけません。

一般的には火災保険と地震保険をセットで入る場合が多いです。

この保険料についてはプランによって費用を抑えることができます。

マンション購入時の初期費用と交渉ポイント!

・仲介手数料

まず、不動産屋に支払う仲介手数料についてですが、冒頭の「不動産屋との間で発生する費用」でも説明した通り、「400万円を超える物件の場合で(物件価格 ×3%+6万円)×消費税」といった計算式はあくまでお客様から受領出来る金額の上限になります。

ですので、購入の際は不動産屋に交渉してみるのも良いかと思います。

基本的にはどこの不動産屋も上限金額で請求しますが、中には最初から「仲介手数料30%OFF」などと謳っている不動産屋もあります。

ただ、契約が終わった後に手数料の交渉をしても通らない場合が多いので、交渉をするなら契約をする前にきっちりと話をつけておきましょう。

また、あまりに過度な交渉をすると、他の顧客を優先され気に入った物件が取られてしまったりする場合もあります。

気に入ったマンションを仲介手数料が安い違う不動産屋に乗り換えて購入しようとし、損害賠償請求された事例などもあります。

多くの方にとってマンションは一生に一度の買い物になるかと思いますので、物件購入に関わる全ての人にとって気持ちの良い取引となる事が一番望ましい事だと思いますし、不動産屋として、そうなるように尽力することも仲介手数料に含まれています。

・ローン斡旋手数料

このローン斡旋手数料については、住宅ローンを斡旋する不動産屋が独自に設定しているものであり、仲介手数料と違い比較的交渉しやすいポイントになります。

住宅ローンアドバイザーやファイナンシャルプランナーなどがきっちりとアドバイスを行うような不動産屋などは、ローン斡旋手数料もしっかりと請求してくる傾向にありますが、仲介手数料とは別で請求する費用になりますので、「初期費用を抑えるポイント」として覚えておきましょう。

・司法書士の報酬

司法書士の報酬はご自身で登記手続きを行うことで抑える事の出来る費用です。

ただ、手続きが複雑なので少しハードルは高いかと思います。

相場は3万円〜5万円なので、その範囲内であれば不動産屋の担当を通して司法書士に交渉出来るかもしれません。

・火災保険料

火災保険料はプランによって節約する事ができます。

また、基本的には不動産屋や銀行にまとめて斡旋してもらう場合が多いですが、知り合いに保険屋がいる場合など、ご自身で段取りする事も可能です。

本当に必要な保障だけを選びましょう。

マンション購入時の初期費用と交渉ポイントのまとめ!

いかがでしたでしょうか。

不動産を購入するとなると初期費用もそれなりに高額になります。

・仲介手数料

・ローン斡旋事務手数料

・司法書士報酬

・火災保険の見直し

初期費用を少しでも抑えたいという場合は上記が交渉のポイントとなります。

初期費用の内容をしっかりと理解して気持ちの良い買物をして頂けると幸いです。

  • この記事を書いた人

ダイキ

はじめまして! ぱらだいちゅ不動産のダイキです! 現在は大阪市内で不動産会社の店長をやっています٩( 'ω' )و ブログやTwitterなどで現役店長の私が、不動産業界の実情を生々しく発信していきます! 皆さんのお役に立てると幸いです。

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