現在私は大阪市内の不動産屋で店長をしておりますが、2020年4月現在、新型コロナウイルスが世界的に大流行し、日本では4月7日に安倍首相が「非常事態宣言」を発令しました。
各企業や飲食店がテレワークや在宅勤務、営業自粛などの影響を受けておりますが、不動産屋も同じく苦しい状況が続いており、その影響はますます深刻になっています。
不動産屋の現役店長である私が、不動産業界の現状を現場の視点からお伝えします。
コロナ下での業務について
現在私の店舗では出社は交代制で、それ以外は在宅勤務という形をとっています。
大手不動産会社はもちろん、中小企業でも在宅やテレワークを導入するところが増えてきました。
物件の販売活動の方は、お客様の購入意欲が低下していることもあり、物件の内覧もキャンセルや延期が続出しております。
集客についても、不動産情報サイトからの問い合わせが激減している他、オープンハウス(オープンルーム)なども管理組合が禁止したりと活動の幅が狭まっております。
コロナ下での売買の現状
マンションを始め、物件価格について現段階ではそこまで下がっている感覚はないです。
ただ、お客様の購入意欲が低下している事やインバウンド需要が激減している事、多くの企業や事業主が資金不足になっている現状を考えると、今後少しずつ物件価格も下がって行くと思います。
不動産を保有している企業や事業主は資金を得る為に不動産を売却しますので、売り物が増え、需要と供給のバランスが取れないからです。
現に私の店舗では、「買い」のお客様は例年より減っていますが、「売り」のお客様は減っていません。
2020年4月現在でも「査定」のご依頼を多く頂いております。
ところが、査定を依頼されるお客様の方向性として、「仲介」よりも「買取」を希望されるお客様が多いです。
一般的に「買取」だと市場価格より3割程安くなりますが、それでも売却を希望されるお客様が増えております。
買取業者もコロナの影響で値付けには慎重になっておりますので、現段階ではお客様に納得頂ける金額を提示できても、「今後は買えるか分からない。」という業者も多いです。
逆に値段が下がって行けば、資金に余裕のある投資家の方々にはチャンスかもしれません。
物件価格も事態が収束すれば持ち直して来るかと思います。
コロナ下での賃貸の現状
賃貸については、外国人向けの賃貸や民泊施設は言うまでも無く壊滅的だとは思いますが、一般的な賃貸需要に関しては、2020年4月現在、そこまで影響は感じられません。
ただ、マンションやビルのオーナー様からは、家賃滞納や家賃の値下げなどについて懸念の声が上がっているようですし、実際にちらほら出て来てます。
不動産屋でも休業するところが出てきましたので、入居者募集中のオーナー様の不安も増しそうです。
大型商業施設でも入居予定の店舗が出店を見送る事例も出ているみたいですので、今後は貸主と借主の賃料交渉がますます増えて行くでしょう。
多くの企業が事業資金に苦しんでおり、「家賃」は相当な負担となります。
支払いの猶予や減額でやり過ごしても次第にじり貧になっていくのは目に見えています。
苦しいのはお互い様なので、いずれにせよ国の対策が必要なのは明らかです。
コロナウイルスが不動産業界に与えている影響!まとめ
今回は不動産の「流通」の現状をお伝えしましたが、「建築」の方でも深刻な影響が出ており、海外の生産ラインに依存しているキッチンやトイレなどの住宅設備の入荷の目処が立たず、工事のストップや新築住宅の引渡しに遅れが出ています。
3月、4月は不動産業界にとって書き入れ時ですが、お客様の購入意欲の低下はまだまだ続きそうです。
ただ、今回のコロナショックはリーマンショックの時のように、金融機関には今の所そこまでダメージはありませんので、買いたいけど買えないから値段が下がると言う事はありません。
なので不動産価格の下落もリーマンショックの時のようには進まないとも思います。
一般的に景気が落ち込むと低金利になる為、住宅ローンも利用しやすくなりますし、借り換えのチャンスにもなります。
しかし、住宅ローン利用者の失業や減給で返済不能が多発すると、金融機関も金利の引き上げや審査基準の見直しをするかもしれません。
今後の動向は誰にも断言はできませんが、とりあえず今は事態の収束に向け個々の意識を高めることが重要です。