住宅を取得する際、多くの人が住宅ローンを利用する事になります。
住宅ローンというと銀行をイメージするかと思いますが、公的機関や企業が貸し付けをする制度もあります。
大きなお金を借り入れるので、借入先や住宅ローン商品の選択によって資金計画が大きく異なってきます。
私は不動産屋で店長をしていますが、この業界にいて感じることは、住宅ローンについてしっかりと理解しないまま融資を受けている方が多いということです。
住宅ローンについて一人でも多くの方に知ってもらう為、これから「住宅ローンの基礎知識!」というテーマに沿って解説していきます。
今回は、「住宅ローンの3つの種類」について解説します。
目次
住宅ローンの基礎知識!〜公的融資・民間融資・その他の融資〜
住宅ローンは、「公的融資(公的住宅ローン)」「民間融資(民間住宅ローン)」「その他の融資(その他住宅ローン)」の3つに分類されます。
公的住宅ローン
公的住宅ローンとは、その名の通り公的機関が貸し出す住宅ローンです。
主な公的住宅ローンには、「財形住宅融資」や「自治体住宅融資」などがあります。
財形住宅融資
財形住宅融資は、民間企業や公務員などのサラリーマンが、毎月の給与収入の中から積み立てた「財形貯蓄」を原資とし、住宅取得の際に住宅ローンに還元して融資する制度です。
融資対象者は「財形貯蓄」しているサラリーマンに限られ、条件としては1年以上「財形貯蓄」を行い、貯蓄残高が50万円以上ある人となっています。
尚、融資限度額は財形貯蓄残高の10倍まで、最高4,000万円までとなります。
また、民間住宅ローンと異なり、金利は申込時に確定して最初の5年間は変わらず固定金利が適用され、以降5年ごとに金利の見直しがある固定金利型に変わります。
自治体住宅融資
自治体住宅融資は、全国の自治体が住民の為に独自に設けている制度で、制度の適用には、自治体内に一定期間居住又は勤務し、自治体内での住宅取得、一定以下の収入、納税しているなどの条件があります。
自治体住宅融資には下記の3つの種類があり、融資条件は各自治体により異なります。
①自治体が年度予算から融資する「直接融資」
②指定の金融機関を斡旋して金利の一部を負担する「預託」
③指定の金融機関を利用すれば、金利の一定割合を補給する「利子補給」
公的住宅ローンの主な特徴
・金利面では比較的低金利での貸し付けが見込めるため有利である。
・融資の対象となる物件に対する基準が厳しい。
・融資限度額に一定の条件がある為、高額の融資は受けられない。
民間住宅ローン
民間住宅ローンとは、民間の金融機関が貸し出す住宅ローンです。
民間住宅ローンの主体となる借入先
民間住宅ローンの主体となる借入先は下記になります。
・都市銀行
・地方銀行
・信用金庫
・労働金庫
・JA
・生命保険会社
・信販会社
・クレジット会社
・住宅ローン専門金融機関(ノンバンク)
フラット35について
フラット35は、最長35年の長期固定金利が適用される民間住宅ローンですが、主体は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)という独立行政法人になります。
最大融資額は8,000万円で所用資金の100%まで融資可能です。
保証料無し・原則連帯保証人不要・団体信用生命保険の加入は任意などの好条件が揃っていますが、固定金利なので金利が高く、一般的な民間住宅ローンよりも総返済額が高くなる傾向があります。
また、一般的な民間住宅ローンは「変動金利型」や「固定金利選択型」など金利タイプのバリエーションが多彩で自身に合った資金計画立てることが可能ですが、フラット35の場合は固定金利型一択となります。
2020年8月現在、一般的な民間住宅ローンの変動金利型の「適用金利」が超低金利であることから、ほとんどの方が変動金利型を利用しています。
ただ、フラット35は一般的な民間住宅ローンと違い審査基準が緩やかで、住宅ローンの難しい自営業の方でも審査が通る可能性が高いです。
なので、現状としては一般的な民間住宅ローンを組めない方がフラット35を利用する場合が多いです。
民間住宅ローンの主な特徴
・融資限度額が比較的大きい。
・フラット35を除き、融資の対象となる物件に対する基準が緩やか。
・フラット35を除き、審査では個人の信用力を重視する傾向にある。
・各金融機関ごとに多彩な住宅ローン商品があり、選択の幅が広い。
・同じタイプの住宅ローン商品でも、金融機関の審査基準によって金利の引き下げ幅が違う。
その他住宅ローン
その他住宅ローンとは、公的機関でも民間でもなく、企業や公務員共済組合などが独自に融資する住宅ローンです。
「社内融資」や「公務員共済」などがそれにあたります。
社内融資
社内融資は、企業が従業員の住宅取得を支援する為に独自に設けている融資制度で、住宅所得に必要な資金を低金利で貸し付ける福利厚生施策です。
社内融資には下記の2つの種類があり、内容は企業により異なります。
①企業が保有資金から融資する「直接融資」
②企業が提携している金融機関を利用すれば、金利の一部を企業が補給する「利子補給」
また、「直接融資」の場合、退職時には一括返済となるケースが多いようです。
公務員共済
共済組合は、共済年金などのイメージが強いと思いますが、医療費や学費、住宅の購入に関する貸し付けも行っています。
公務員共済の住宅ローンは、組合員の相互扶助、生活向上を目的としている為、公務員の方は、民間住宅ローンを利用するより良い条件で融資を受けれる場合があります。
その他住宅ローンの主な特徴
・融資制度の無い企業もある。
・企業や共済により制度が異なる。
・公務員共済の場合、連帯保証人・保証料・抵当権設定が不要。
・公務員共済の場合、一般的な審査と違い、個人信用情報を確認されることがない。
住宅ローンの基礎知識!3つの種類と主な特徴について〜まとめ〜
住宅ローンは、勤務先や経済状態など自身の環境によって選択肢が異なってきます。
長期間大きいお金を借りる事になるので、支払う利息も馬鹿になりません。
一般的な金融機関の他にも多くの借入先があり、民間住宅ローンに関しては多彩なバリエーションがあります。
少しでも多くの情報を取り入れ、自身に合った選択をして下さい。