あなたはマンションにどのような条件を求めますか?
地域・駅・間取り・広さ・築年数・所在階・設備・風水・ペットなど条件を上げていけばきりがなく、理想のマンションを見つけるのはなかなか難しいかと思います。
しかし、いずれ最重視すべき条件や妥協できる条件を、予算とにらめっこしながら選定し、どこかで折り合いをつけなければいけません。
ただ、最初に「このような物件だけは買わない方がいい」という条件を抑えておけば物件を選びやすくなるのではないでしょうか?
そこで不動産屋店長の私が「買わない方がいいマンションの条件」をいくつかお伝えしていきます。
第1回目は「自主管理」についてお伝えします。
目次
自主管理とは
マンションは区分所有法という法律に基づいて管理していかなければなりません。
その管理責任は管理組合が負うことになり、マンションの区分所有者全員が管理組合の組合員となります。
マンションの管理業務は、共用部分の保守や修繕を始め会計業務や長期修繕計画の作成など多岐にわたる為(17項目あります)、多くの場合は管理会社に委託します。
自主管理とは、マンションの管理業務を管理会社に委託せず、全て区分所有者の手で行う管理方法です。
近年、自主管理の物件は減っていますが、昭和建築のマンションでたまに見かけます。
自主管理のメリット・デメリット
メリット
・管理会社に業務委託しないので管理費用が安い!
業務委託しない分、区分所有者の手間は増えますが、管理費用は抑える事が出来ます。
なので、業務委託しているマンションと比べて毎月のランニングコストは安くつきます。
中には管理費用が安い分、修繕積立金を積み増しする管理組合もあります。
また、他のメリットとして「マンションの管理業務に対する意識が高まりノウハウが身に付く」といった事を上げる方もいますが、私は別にメリットではないと思います。
そもそも人それぞれ性格も考え方も違うので、区分所有者全員の意識が高まる事は少ないですし、それをストレスに感じる人もいます。
また、管理業務に興味のない方や仕事が忙しく時間のない方、人との交流が苦手な方にとっては自主管理は手間でしかありません。
デメリット
・資産価値が低下する可能性が高い!
築年数と共にマンションは経年劣化していくので、定期的にメンテナンスする必要があります。
しかし、組合員の意見の相違や管理組合の知識不足などから管理が不十分となり、結果マンションの資産価値を下げてしまう恐れがあります。
管理費用が安いとはいえ資産価値が下がってしまえば本末転倒です。
・管理業務が安定しない可能性がある!
管理業務を円滑に進めるには組合員の団結力が必要です。
理事長が上手く組合員をまとめる事が出来なかったり、組合員同士の関係悪化でトラブルになったりして安定した管理運営が出来ない場合があります。
よくあるのが、共用部分の清掃が行われず住環境が悪化する事や、消防設備や電気設備の点検不足による日常のトラブルなどです。
このような事は全て日常生活に支障をきたします。
・銀行によっては住宅ローンが通らない場合がある!
銀行は融資の際、人間だけでなく物件もチェックします。
管理会社が入ってしっかりと管理しているマンションと素人が管理しているマンションだとどちらが信用できますか?
ほとんどの方が前者だと思います。
それは銀行も同じで、十分に管理が出来ているか分からないマンションだと銀行も融資をしてくれない場合があります。
特に重要事項調査や長期修繕計画、修繕履歴、総会議事録などのエビデンスが無い物件は要注意です。
自主管理のマンションを買わない方がいい理由
マンションの良い所の一つとして、管理会社が管理する事により綺麗で快適な住環境で生活できる事や、プロによる適切な維持修繕で安心できる事などがあります。
しかし、自主管理はその全てが自己責任という事になります。
良い方向に進むのも悪い方向に進むのも組合員一人一人の意識の在り方に掛かってます。
一言で言うと「不安定」です。
自主管理はマンションよりも一戸建てに近い感覚です。
一戸建ても自主管理です。
ですが一戸建てのお家には一戸建てのお家特有のメリットがありますので自主管理でも気になりません。
自主管理のマンションは、マンションの悪い所と一戸建ての悪い所が合わさっているといっても過言ではありません。
「買わない方がいいマンションの条件」①自主管理 まとめ
いかがでしたでしょうか?
私は自主管理のマンションはお勧めしませんが、これは私個人の意見なので、中には自主管理を好む人もいるかと思います。
また、気に入った物件が自主管理だがどうしても欲しいといった場合もあるでしょう。
そういった場合は管理状況などをしっかりと調査して下さい。
私も何度か自主管理の物件を売りましたが、お客様と念入りに物件を調査してますので今の所トラブルは聞いておりません。
マンションの購入は人生でそう何度もある事ではありませんので、後悔の無い買い物にして頂ければ幸いです。