不動産だけでなく、車の買取でも利用者の多い一括査定サイト!
ネットを徘徊していると、至る所に一括査定サイトのリンクがあります!
また、今はネットから簡単に依頼する事が出来るので、不動産の売却を検討している方は、一括査定サイトを利用してみようかと迷われていることだと思います。
その反面、大量の電話や個人情報流出など悪い噂があるのも事実で、利用するのを躊躇している方も多くいてます。
それだけでなく、大量の電話や個人情報流出といった問題以外にも不動産の一括査定には注意すべき問題があります。
それは、一括査定の性質上、不動産屋の間で競争が生まれ、査定価格から相場を把握する事が難しくなるということです。
なぜ相場を把握する必要があるかと言うと、高価買取が主流となっている車と違い、不動産を少しでも高く売却するとなると、買取ではなく仲介で一般市場に売り出す必要があるからです。
不動産の「仲介」や「買取」について知りたい方は、下記の記事を参照してみて下さい。
最近は不動産を全く知らない素人が書いた不動産アフィリエイトサイトなども多いので、不動産会社の現役店長の私が不動産一括査定サイトの実情を現場の視点からお伝えいたします。
目次
不動産一括査定サイトの仕組みについて!
不動産の売却を考えた時、最初にする事が査定になります。
ただ、どこの不動産屋に依頼すれば良いのか分からないといった場合や不動産屋に行くのが面倒臭いといった方に便利なのが、「不動産一括査定サイト」を利用するということです。
仕組みとしては、ネット上で「不動産の情報」「個人情報」「ご要望」などを入力すると、まとめて複数の不動産屋に査定を依頼出来るシステムになっています。
ユーザーの料金はもちろん無料です。(サイト運営会社と提携先している不動産屋が料金を払っているため。)
依頼が完了すると、直ぐに不動産屋から査定方法などについての連絡が入ります。
不動産一括査定サイトのメリット・デメリット!
一括査定のメリット
主なメリットは2つあります。
わざわざ不動産屋に出向く必要がない!
一括査定サイトの特性上、不動産屋に行く必要はありません。
大体の金額を把握したい場合は、「机上査定」で概算にはなりますが査定書をご自宅に送ってもらえます。
物件の状態を実際に見てもらい、正確な金額を知りたい場合は、「訪問査定」で不動産屋にご自宅まで来てもらうことも可能です。
ただ、実際に物件を売り出すとなれば、売却の流れなど金額以外の事も知っておく必要があるので、「訪問査定」で実際に不動産屋から説明を受けた方が手っ取り早いです。
複数の不動産屋の意見を参考に出来る!
一つの不動産屋の意見だけで売却の方向性を決めるのは心許ないという方にとっては、一括査定だと電話対応の良かった不動産屋などから自身で数社選択して意見を聞く事が出来る。
一括査定のデメリット
主なデメリットは3つあります。
査定価格がつり上ってしまい、適正な市場価格で売り出せない!
大前提として、不動産屋は仲介手数料を得るためにユーザーから物件の売却を受託する事が目的となります。
一括査定の場合、不動産屋の間で競争が生まれるため、相場と掛け離れた売れもしない金額をユーザーに提示する不動産屋が出てきます。
その結果、物件がいつまでたっても売れずに塩漬け状態になってしまうといった事が起こります。
個人情報が流出する可能性がある!
個人情報を漏洩させる事は違反になるので、サイトの運営会社が提携先の不動産屋以外に個人情報を提供している事は考えにくいですが、ネット上で個人情報を入力する行為自体にリスクは付き纏います。
多数の不動産屋から電話が一斉に掛かってくる!
言うまでもありません。
一括査定の性質上、多数の不動産屋から一斉に電話がきます。
中にはしつこく迫ってくる不動産屋もあるでしょう。
しかし不動産屋に罪はありません。
一括査定を依頼したのはユーザーですし、不動産屋は高額な紹介料をサイトの運営会社に支払ってます(だからユーザーは無料で利用出来ます。)ので、物件の売却を受託するため全力でユーザーにアタックします。
一括査定サイトを利用する前に、本当に査定をする必要はあるのか?売却の意思はあるのか?という事を今一度考えてみてください。
相場が知りたいだけなら、不動産情報サイトで自身の物件と似た条件の物件を検索してみるだけでも十分大体の相場を知る事ができます。
現場から見た不動産一括査定の実情!
実際に物件の売出価格を決めるのは不動産屋ではなく所有者になります。
不動産屋の査定価格なんて市場価格の目安に過ぎないので、大体の基準を提示しているに過ぎません。
それに、どこの不動産屋もネット掲載やチラシ、オープンハウスなど同じような売却活動しかしませんし、ユーザーがネットから簡単に物件探しが出来る時代なので、「その不動産屋にしかない強み」なんてのも実はたいしてありません。
また、仲介において物件が売れない状態というのは売主にとってはリスクとなりますが、不動産屋にとっては別に在庫を抱える訳でもないので痛くも痒くもありません。
ただ、一括査定を利用すると、不動産屋はとりあえずユーザーから物件を受託したいので、他社に負けじと相場と掛け離れた値段を提示してしまう傾向にあります。
高値をつけた者勝ちといった風潮があるという事です。
その結果、何も知らないユーザーは、めちゃくちゃな値段を提示した不動産屋に物件の売却を依頼し、物件がいつまでたっても売れず、塩漬け状態になっていることが多いです。
基本的に不動産は相場でしか売れないので、三千万円が相場の物件を四千万円で売り出したとしても売れないのです。
そこから不動産屋は売れない事を理由にユーザーに値下げを要求し、実際の相場に近づけていくといった作戦にでます。
一言で言うと、一括査定がただの遠回りになってしまうというのが実情の一つとしてあります。
不動産一括査定サイトの実情!まとめ!
不動産一括査定サイトはとても便利なシステムではありますが、必ずしも不動産の売却にプラスに働くとは限りません。
重要なのは、不動産屋が提示した査定価格と実際に売却出来る価格は違うという事です。
もちろん大前提として1円でも高く売却したいという気持ちは誰にでもあるかと思いますし、不動産屋にとっても売却価格が上がるほど仲介手数料も上がるので気持ちとしては同じです。
だからといって相場からズレた金額で売り出し、いつになっても売れないといった状況になってしまっては意味がありません。
不動産一括査定サイトを利用して、売却を任せる不動産屋を選ぶ際は、査定価格ではなく信頼出来る営業マンかどうかで選ぶ事が一番重要になります。
なぜなら、いくら査定価格が高くても基本的に不動産は相場でしか売れません(物件を探している買主が相場をわかっている為)し、不動産屋は査定価格を一つの目安として提示するだけで、実際に物件の売出価格を決めるのは物件の所有者であるユーザーだからです。